地域材で地元復興

・・・岩手の被災者の住宅再建を支援するため地域材を使った良質低廉な木造軸組構造住宅の生産供給体制構築を図る「県地域型復興住宅推進協議会」(会長・村上勝郎県建築士事務所協会長)が2日、前組織を発展解消して発足した。今後、生産供給を支える地域住宅生産者グループを公募などによって集め、持ち家再建を考える被災者に情報を発信、岩手の風土に合う住宅による景観づくり、地域における雇用機会の創出と産業振興につながるよう取り組みを進める。

  地域型復興住宅は岩手など被災3県のそれぞれの地域の住宅生産者が協力して提供する、地域材を用いた良質低廉な木造住宅の意味。地域の建築設計事務所工務店、専門工事業者、木材産業関係者などが連携する。また平時の地域生産力を超える需要も想定されることから、生産体制の構築によってカバーする狙いもある。

  同住宅の生産提供に向けては、各県で国も参画して官民が取り組んでおり、本県では昨年9月、県や住宅建築関係者団体などにより連絡会議が設立され、同住宅の基本的考え方を示す設計と生産システムガイドラインを作成した。

  ガイドラインの中では岩手の風土や伝統的に地域に受け継がれてきた構造や意匠など(地域との整合)を加味し、公営住宅型を含む7タイプを今後の施工の参考となるよう提案している。全タイプには▽長期利用▽将来成長可能なシンプルプラン▽省エネなど環境対応▽低廉な価格|が共通。その上で各グループが持ち味や特色を出して住宅を供給していく。

  ガイドライン作成などにより体制構築に向けた検討に区切りがつき、今後は実際に生産供給を担う地域住宅生産者グループの形成促進や発掘を中心課題に、より実践的な展開を図るため、組織を推進協議会に改め、県森林組合連合会など新たな団体をメンバーに加えた。(中略)

  生産者グループは公募と協議会構成団体の推薦により募集。10日に募集を開始し締め切りは3月5日。締め切り前に参加意向表明書の提出を2月20日までに求める。

  登録グループについては、協議会が名簿や消費者向けの情報シートをまとめ、ホームページやリーフレットを作成し、持ち家の再建を考える被災者に情報提供していく。4月から生産供給を開始できるよう努める。

  村上会長は「時間は待ったなし。グループを立ち上げてスタートしないと、待っている人たちもいる。地元の木を使って地元の工務店が在来工法で作っていくことで、地元にお金が回り、長い目で地域産業のためになる。仮設に入って生活している人の思いを考え、応援していきたい」と話している。(以下略)

盛岡タイムズ(2012年2月3日付)より引用
http://www.morioka-times.com/news/2012/1202/03/12020301.htm


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