「復興イチゴ」 〜 「閉鎖型高設栽培システム」の導入

・・・東日本大震災津波で被災した陸前高田市の(有)アグリランド高田(畠山修一社長)は、県農業研究センター(北上市)が開発した「閉鎖型高設栽培システム」を導入して「復興イチゴ」を栽培した。収穫期を迎え、ケーキ用として近く初出荷する。
 復興イチゴは、震災復旧復興プロジェクトを推進している同センターが、復興モデルとして技術支援した。
 栽培に取り組む同社は、米崎町でイチゴとトマトを生産する雇用型大規模経営を行っていたが、津波で栽培ハウス1・5ヘクタールを流失。震災後は横田町内の土地を借りて生産を再開した。
 イチゴ栽培は、同センターが開発し、盛岡市の東日本機電開発(株)が製品化した新しい高設栽培システムの第1号機を使用。実証試験を兼ねて9月に自家採苗した「さちのか」などの品種を定植した。
 新開発のシステムは、培地槽と貯水槽の2層ハンモック構造で、培地に県産の杉樹皮を活用。廃液を出さないようにし環境への負荷を低減。管理が容易で作業効率が良く、価格も約300万円(1000平方メートル当たり)と従来装置より2割安で済むという。
 同センターの南部園芸研究室で平成16年から研究開始し現在は特許登録手続き中の画期的な栽培装置。
 津波による塩害が心配されるほ場でも、速やかに営農再開ができるとしている。
 復興イチゴは、長さ約40メートルの新システムを3列に並べて約200平方メートルで栽培。赤く色づいた実は大粒で、溢れる甘さが特長。畠山社長(56)は「よくここまで良い味が出せたと思う」と感無量の表情。今後は気仙沼に向けて出荷準備に入る。5月いっぱいまで収穫ができるという。
 同センター南部園芸研究室の佐々木裕二室長は「園芸振興の復興モデルとして支援してきた。今後は広げていきたい」と話している・・・

東海新報(2011年12月24日付)より引用
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws7240


岩手県農業研究センター
http://www.pref.iwate.jp/~hp2088/

・農業研究センター「続々・“復興イチゴ”でXmasケーキを飾る 〜 高設栽培システムの特許を取得!」
http://www.pref.iwate.jp/~hp2088/labo/11052_kousetsu_tokkyo.html



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