気仙広域連合 復興への全体構想 ＜６＞
東海新報に掲載されました気仙広域連合（岩手県大船渡市・陸前高田市・気仙郡住田町の首長−戸田市長（大船渡市）、戸羽市長（陸前高田市）、多田町長（住田町）−による座談会の記事です。長い記事ではありますが、震災復興の全体構想・問題点が浮かび上がってきますので６回に分けて引用します。
最終回は「これからの復興に向けての施策、課題」についてです。実務家として現場に当たる各首長の言葉はいずれも心に響いてきます。また多田町長の言葉の中に「エールを送る立場ですが、門外漢ではなく当事者の一人だという認識」とありますが、これは東日本大震災からの復興、さらにはこの国の行方を考える上でも大切な心構えだと思います。
・・・以下引用・・・
―これからの復興に向け、３市町が連携して取り組むべき施策、課題は。
戸田 環境未来都市構想だが、多田町長が言われたように、気仙の中のどこでもいいから適地にメガソーラー発電所やリチウムイオン電池工場が立地すれば、通勤、通学、生活圏が一緒の３市町にとっていいことがある。
気仙広域連合ではすでにいくつか仕事をしているが、今後、広域連合としてやっていけるものを探しながら連携の度合いを深めていこうと、３首長で話している。
戸羽 復興に向けての連携というのは自治体同士、首長同士だけでない。復興という部分に入ってくれば、新しく道路の建設などいろんな作業が出てくる。まずはこれらを気仙全体の仕事としてやっていく。われわれ首長が一致した考えを持ち、住田町の業者にも復興に携わっていただけるような体制をとっていきたい。
多田 ３市町の連携について言うと、今、うちのスポーツ施設や文化施設を気仙地域の人たちに利用していただいているが、これを機会に気仙３市町でフルセットになるような公共施設の整備を検討していくべきではないか。大船渡は大船渡でフルセット、陸前高田は陸前高田でフルセット、それに負けじと住田ももがきながらフルセットというようなことはやめ、互いに連携してやっていけばればいいと思っている。
―最後に復興に賭けるリーダーとしての決意、意気込みを。住民に協力を求めることがあれば合わせてお聞かせいただきたい。
戸田 大船渡市は必ず復興する。市民、市内の事業所の皆さんはそれを信じ、行政と一緒に前を向いて頑張ってほしい。そして気仙も必ず復興する。陸前高田、住田両市町の皆さんと連携しながら、一歩一歩前に進んでいきたい。
戸羽 われわれはゼロからのスタートとなるが、ゼロからのスタートだからできることに取り組みたい。それは市民の皆さんにご協力いただかなければならないことだが、陸前高田市からノーマライゼーションという言葉をなくすことだ。
当市は復興計画の中に「世界に誇れる美しいまちをつくる」ということを掲げているが、それは見た目の美しさだけでなく、そこに住む人の心の美しさも大事ということ。これを市としてぜひ達成したい。環境だけじゃない、そこに住んでいる人たちも優しいといえるまちづくりができたら、世界に誇れる陸前高田になれるのではないかと思っている。
多田 私は両市にエールを送る立場ですが、門外漢ではなく当事者の一人だという認識を持っている。気仙全体で復興していかなければならないという気持ちだ。
町民からは「町長、被災した人たちのために自分たちは何をしたらいいのか」という声が今もたくさん寄せられている。そういう町民の心根に感動しており、地域の力がまだまだいっぱい住田に残っていることが何よりもうれしい。このことを忘れず、これからも支援を続けていきたい。
・・・引用終わり・・・
東海新報（２０１２年１月１日付）より引用
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws7263
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・気仙広域連合 復興への全体構想 ＜４＞
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・気仙広域連合 復興への全体構想 ＜３＞
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・気仙広域連合 復興への全体構想 ＜２＞
http://d.hatena.ne.jp/oretachinonihon-2011/20120103
・気仙広域連合 復興への全体構想 ＜１＞
http://d.hatena.ne.jp/oretachinonihon-2011/20120102/
・世界に誇れるまちをつくりたい：職員合同慰霊祭
http://d.hatena.ne.jp/oretachinonihon-2011/20111220
