大豆への転作と農機具支援

・・・東日本大震災津波で農機具が数多く流失し、農業復興を阻む要因の一つとなっている。農機具不足に悩む陸前高田市の小友営農組合(紺野直組合長、組合員60人)に22日、奥州市認定農業者協議会(森岡誠会長)がコンバインなど13台を一挙に出動させ、水田転作大豆の収穫を支援した。援軍を得て農魂に燃える営農組合は、生産の主である水稲栽培の復活へもつなげたい考えだ。
小友地区は、津波で水田約120ヘクタールのうち9割が浸水被害を受け、今年の米作りを断念した。
営農組合では、このうち被害を免れた水田約10ヘクタールに転作用の大豆を作付けし、6月に種まきを行った。水田は高台にあるため浸水はしなかったが、横田町の気仙川から引いている水路が破損。通水不能となり水稲栽培ができず、代わりに転作大豆を作付けした。
転作大豆は、地区の農家で組織する小友転作営農組合(石川滿雄組合長、組合員400人)の個々から毎年委託されて実施しているが、今年は例年の半分の面積で栽培を続けた。
刈り取り作業の機械も流されたが、営農組合の窮状を知った奥州市認定農業者協議会が支援の名乗りを上げ、同日、市内の認定農業者45人が駆けつけ、大豆収穫用の大型コンバイン6台と運搬車7台を運び込んだ。収穫作業は鳥越、西下など7カ所に分散して行われ、機動力を発揮して1日で刈り上げた。
奥州市森岡会長は、「沿岸と内陸がお互い伸びて成り立っていたことを震災を通して感じ、支援に馳せ参じた。沿岸の発展なくして内陸の発展もない」と話す。
収穫した大豆は、奥州市のJA乾燥施設に運ばれ、乾燥大豆はJAおおふなとを通して出荷される予定。
営農組合の紺野組合長は、「農機具が全部流され、播種はしたものの収穫はどうしようと思っていたので、支援に感謝したい」と話す。
浸水した水田ではがれきの撤去が続いており、広大な面積のほ場復旧の問題にも直面している。営農組合ではまずは浸水を免れた水田から、水路が復旧しだい水稲の作付けを開始することにしている・・・

東海新報(2011年11月23日付)より引用
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws7153