復興資材活用が本格化 「がら系」災害廃棄物


「がれき撤去→選別・仕分け→破砕・異物除去→再利用・最終処分」という流れを経た復興資材活用のニュースです。


・・・大船渡市は、東日本大震災の浸水被害地で撤去した災害がれきの「復興資材」活用を本格化させている。主にコンクリートなどの「がら系」で、赤崎町にある永浜・山口港湾設備の2次選別場に運ばれたうち、全体量の35%にあたる約3万トンを大型土のうなどとして利用。市では、基本的には市内で処分したがら系は市内で再利用し、スムーズな復興につなげることにしている。
永浜・山口岸壁背後に広がるふ頭用地や工業用地予定地では、夏場までは主に被災車両の保管スペースとして、ピーク時には約3000台が置かれていた。所有者の引き取り、処分手続きが進むにつれて減少し、廃棄物2次選別所としての役割が中心となっている。
4月中旬から本格化したがれき撤去は、11月10日時点で89%の撤去率に達した。被災した小中学校グラウンドなど1次選別場で仕分けされた後、2次選別場ではさらに細かい破砕や異物除去をはじめ、資源活用、最終処分に向けた作業が行われる。
7月ごろから、2次選別を終えた廃棄物が出てきたため、市ではまず、コンクリートなどの「がら系」は同岸壁背後に広がる工業用地予定地の埋め立てに利用し、より円滑な業務環境を整えた。10月以降は、地盤沈下による浸水被害に悩む地域で使われる「大型土のう」などの材料としての供給が始まった。
また、建設作業が本格化した中小企業基盤整備機構による仮設店舗整備地での需要も拡大。市建設課によると、先週時点で2次作業場から別の被災地で資材として“活躍”している量は永浜・山口分だけで2万9698トンに達した。
持ち込まれたがら系廃棄物の総量は約8万6000トンで、これまで35%を再利用。今後は、同じく地盤沈下による浸水に悩み、今後復旧工事が本格化する漁港整備などでも活用が見込まれる。(中略)
廃棄物のうち、木くず系の廃棄物などは細かく粉砕され、太平洋セメント大船渡工場内で熱原料として活用。6月からこれまで3万トン以上を焼却処分してきた。来月以降5号キルンでのセメント出荷再開に伴い処分量が増えるほか、海沿いにある1号キルンが稼働すれば、さらにペースが上がる。
木材もチップなどとしての利用計画がある一方、市外での処分委託を余儀なくされているのは、細かい切断が難しい漁網類。すでに海中などから1000トン以上を回収しているが、放射線量などの確認を経た上で、秋田県内の施設での処分を委託。布団や畳類も、北上市内に持ち込んでいる・・・

東海新報(2011年12月15日付)より引用
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws7149




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