親を失った子どもたちの「心のケア」と支援 <1>

・・・東日本大震災で親を失った子どもたちの「心のケア」を強化するため、厚生労働省は7日、医師や児童相談所、民間団体などを束ねる「子どもの支援センター」を岩手、宮城、福島の3県に設置する方針を決めた。
厚労省によると、震災で孤児となった18歳未満の子どもは8月末現在で岩手93人、宮城120人、福島21人の計234人。父親か母親のどちらかを亡くした遺児は岩手445人、宮城711人、福島139人の計1295人に上り、合わせて1529人。親を失ったショックや環境の変化で精神面の変調が表れるケースが増えるとみられる。これに対し、こども病院などで心のケアに重要な役割を果たしている児童精神科医は全国で300人程度しかおらず、児童相談所にいる児童心理司も不足している。
支援センターは、学校のスクールカウンセラー児童相談所職員や小児科医、民間のボランティア団体をつなぎ情報を共有。市町村ごとにもチームをつくり、親族に引き取られたり、ひとり親家庭になった子どもの暮らしや精神状態を継続的に把握し専門家に相談できる仕組みをつくる。
県保健福祉部によると、県は被災した児童生徒の心のケア強化のため、東京都などに児童精神科医の派遣を要請している。医師は月に2〜8度程度、宮古市や大船渡市、釜石市児童相談所などで診療している。だが、宮古市の相談所では医師の診療が2週間待ちになるなど、依然被災者のニーズに応えきれていない・・・

岩手日報(2011年9月8日付)より引用
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110908_9


【関連情報】
*桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英資金
建築家・安藤忠雄氏が実行委員長を務めるこの育英会は、阪神大震災の時に多くの孤児・遺児の成長を助けようと立ち上げられたものです。「桃・柿育英会」の名前の由来は、「昔から『桃栗3年、柿8年…』と果樹の木が育つのをじっくりと待つように、震災で保護者を失った子どもたちを、少なくとも18歳になるまでは、見守っていきたい」という思いからとのことです。詳しくはホームページをご覧ください。
http://momokaki.org/index.html

*(財)全国里親会
http://www.zensato.or.jp/

*震災孤児支援のための『震災復興支援室』を新設:ロート製薬会社プレスリリース(2011年3月25日)
「4月より1年間、取締役の月例報酬の10%を自主返上し、危機対応にあてる」という企業による社会貢献の取り組みです。
http://www.rohto.co.jp/comp/news/?n=r1103255