「までいの心」がつなぐもの 〜 福島県相馬郡飯舘村 <2>

昨日の関連記事です。震災前の飯舘村の取り組み、その心は、この4月に出版された『までいの力』(SEEDS出版)という本で取り上げられています。

【関連記事】
・・・帯広畜産大学生協では、飯舘村の村おこしを取り上げた本「までいの力」(SEEDS出版)の販売を始めた。菅野村長を応援しようと、同大同窓会が出版社と交渉して実現。本の販売収益は同村復興のために寄付する。
「までいの力」は、丁寧に心を込める「真手」の精神を大切にする飯舘村スローライフに迫った本。発刊直前に震災が発生したため、発生後から4月17日までの村の経過や菅野村長の前書きを急きょ追加した。ふるさと納税ラオスに学校を建設するなど、村民のユニークな試みや震災以前の村民の生き生きとした姿が紹介されている。
4月24日に同村を訪問し、菅野村長と懇談した同窓会の辻修事務局長(同大教授)は「本を販売することで飯舘村のポリシーを伝えるだけでなく、飯舘村の復興へ向けた基金を募りたい」と話す。(以下略)

十勝毎日新聞(2011年6月1日付)より引用
http://www.tokachi.co.jp/news/201106/20110601-0009368.php


・・・計画的避難地域として全村避難を迫られている福島県飯舘村を応援する本「までいの力(ちから)」が11日、インターネット書店「アマゾン」から出版された。福島市のSEEDS(シーズ)出版が、村が進める「までいライフ」の魅力を1年がかりでまとめた。 SEEDS出版は村のデザイン、パンフレットなどを製作しており、村の助っ人「までいユニット応援団」に参加している。丁寧に、心を込めてなどの意味を持つ「までい」のユニークな行政と暮らしや「日本でもっとも美しい村」連合に加盟した美しい景観を紹介しようと特別チームを組んだ。3月に出版予定だったが、震災、原発事故で延期になっていた。
本の中では、子育てクーポン、村営の本屋、全国から3万冊以上が届いた絵本リレー、ラオスの学校作り、公設民営のクリニック、子どもがデザインした中学校の庭などのまでいの村作りを紹介している。
中心となって取材、執筆に当たった渡部沙織さんは2月末に女児を出産したが、おなかの子どもの成長を確かめながらの取材だった。渡部さんは後書きで「身重の体を気遣い、祝福してくれた村民の皆さんに感謝します」と記し、佐賀規子社長は「美しい村の復興に役立てばうれしい」と話している。
前書きの依頼を受けた菅野典雄村長は文面を急きょ差し替えた。「難局に歯を食いしばり、村を若い世代にバトンタッチしなければならない。“お互いさま”のまでいの心が、日本再生の基礎になる」と訴えている。<以下略>

福島民報(2011年4月14日付)より引用
http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4107&blockId=9825024&newsMode=article


*「あなたにつなぐ飯舘絵本リレー」(飯舘村教育委員会教育課)
http://www.vill.iitate.fukushima.jp/groups/kyouiku/new/picturebook.2010-5-12./view



上記記事にある絵本リレーについては上のページに詳細が記載されています。
人の手から人の手へとわたってゆく絵本。また飯舘村から避難している子どもたちのために、ラオスからこいのぼりが届いたとの報道もありました。

飯舘流の「までい」の生き方とは、「手間ひまを惜しまず」「丁寧に」「時間をかけて」「じっくりと」「つつましく」暮らすこと。

そこには人と人とがつながってゆくたいせつなヒントもこめられているように思います。

この2日間、我が国の国政の場が大きく揺らぎました。
もし小さな私心にとらわれることなく、わたしたちがこの国難から未来へと橋をかけるために日本再生の基礎をじっと見据えるならば、この飯舘村の心は、その橋のたいせつな橋脚のひとつになりうるのではないでしょうか。



*「までいの心」を 〜 福島県相馬郡飯舘村 <1>
http://d.hatena.ne.jp/oretachinonihon-2011/20110602/1306966598