「までいの心」を 〜 福島県相馬郡飯舘村 <1>


全域が計画的避難区域に指定されるというたいへん厳しい状況にある福島県相馬郡飯舘村ですが、震災前までは、「までい」という土地に古くから使われてきた言葉の意図をくみ、「までいライフ(MADAYLIFE)」というスローライフの在り方を推進してきたところでもあります。

飯舘村第5次総合振興計画書(2004年)によれば、「までいライフ(MADAYLIFE)」とは、「手間ひまを惜しまず」「丁寧に」「時間をかけて」「じっくりと」「つつましく」暮らす飯舘流スローライフのこと。
http://www.vill.iitate.fukushima.jp/vill_iitate/groups/kikaku/jousetsu/gojisoukeikaku_vill.html

また、飯舘村の取り組みは、地元振興だけにととまらず、はるか海を越え、ラオスの学校の建設にも尽力してきました。

ラオスに学校を贈ろう!プロジェクト(飯舘村教育委員会教育課)
http://www.vill.iitate.fukushima.jp/groups/kyouiku/jousetsu/raosproject/laos_maday_Project.html


*「飯舘村第5次総合振興計画書・基本構想」(2004年)より
・・・バブル経済が崩壊し、大量生産・大量消費に代表される「効率と速さ」が求められた時代が過ぎ、新たな時代を迎えている今、私たちが飯舘村で暮らすことの意義とは何でしょうか。20世紀の成長社会では、スピードと効率性の名のもとに、世界の中で日本は欧米を目指し、地方は都会の利便性を手に入れることを目指してきました。交通網の発達によって、村という単位を超えた広域な地域が日常の生活圏になり、都会的なサービスも得られるようになりました。しかし、成長社会の進展とともに、私たちは本来飯舘村にあった多くの財産を失い、今になってその大きさに気付きはじめています。それは、ファーストフードなどに代表される「食」をはじめとする文化の喪失、開発による自然環境の破壊や自然と共存関係にあった暮らしの喪失、家族の絆の希薄化、「結(ゆい)」に代表される地域扶助の商品化、食生活や生活習慣に起因する疾病の増加、地球環境問題の深刻化などです。また、一方で、これらの中には、時代の変化に伴って形を変えてその必要性が高まっているものもあります。21世紀で求められる暮らし方とは、成長社会の名のもとに消費してきた(失ってきた)「人間どうしや人間と地域の有機的なつながり」を普段の生活や地域の関わりの中で見直し、それを大切にし、暮らし自体を楽しむことではないでしょうか。成長神話の「効率性」の名のもとに失ってきた多くの宝物は、この飯舘村には、まだ掘り起こせる場所に埋もれています。「効率と速さ」以外の価値観や、地域に根ざした暮らしが求められる時代に、失いかけている宝物を掘り起こしながら、人間本来の楽しく、美しく、心やすらぐ、笑顔のあふれる飯舘村を村民のみなさんとともに創っていきたいと考えています。この基本構想は、このような村づくりを実現するための基本的な方向性を示したものです・・・
http://www.vill.iitate.fukushima.jp/vill_iitate/groups/kikaku/jousetsu/pdf/gojiso04.pdf




飯舘村東日本大震災関連情報(生活関連・義捐金情報ほか)はこちら。
http://www.vill.iitate.fukushima.jp/news_item.2011-03-16.6166347824/view