避難所生活における感染症予防のポイント

以下のサイトで岩手県保健福祉部医療推進課による「避難所生活における感染症予防のポイント」が紹介されています。(5月25日付)
当サイトでは、避難生活を行っていらっしゃる方々に、感染症から身を守るための知恵・コツを随時お知らせしていく、とのことです。
感染性胃腸炎についての予防対策情報も掲載されています。
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?nd=3790&of=1&ik=3&pnp=60&pnp=345&pnp=3790&cd=32037

*避難所における感染症予防チェックポイント(PDFダウンロード)
土足禁止・清掃・換気など8項目にわたるチェックポイントが示されています。
http://www.pref.iwate.jp/download.rbz?cmd=50&cd=32037&tg=3


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・・・東日本大震災被災地での感染症予防と拡大防止に向け、県立磐井病院(郞名勉院長)=一関市狐禅寺=の院内感染対策チームなどでつくる「いわて感染制御支援チーム(ICAT)」は、現地訪問や、携帯端末を利用した情報収集、定点観測に取り組んでいる。避難生活が長期化する中、被災者らの命と健康を守るために必要な感染症対策とは。ICAT事務局長補佐で同病院副臨床検査技師長の高橋幹夫さんに、活動内容や課題を聞いた。
ICATは、先に被災地入りした岩手医大感染症対策室の応援要請を受け、4月6日に「いわて災害医療支援ネットワーク」(県保健福祉部医療推進課所轄)の構成組織として設立。同大と県立磐井、胆沢、中部、中央の各病院が参加し、4班体制(中部、中央は合同)で活動を開始した。(中略)
高橋さんは「水を十分確保できない避難所も多く、特にトイレや調理場の環境は問題が多い。便を介したウイルス感染や、細菌蔓延(まんえん)による食中毒発生が懸念される」と指摘。予防に有効な次亜塩素酸系消毒薬などの支援物資は豊富だが、使い方が周知されていないケースも見られるという。
春先のインフルエンザ流行期は、避難所ごとに患者用の部屋を用意してもらうなどし、重症化や感染拡大を防いだ。しかし、体育館や広間に布団を並べる避難生活では、季節にかかわらず飛沫(ひまつ)感染で一気に広がる恐れも。「病院のベッドは2メートル間隔を目安にしているが、避難所ではそうもいかない」のが実情だ。
一方で、高橋さんは屋外でも感染症への警戒が必要とし「津波が運んだヘドロなどに含まれる土壌菌は危険。土ぼこりと一緒に吸い込むと肺炎を引き起こしたり、がれき撤去作業中のけがから破傷風にかかったりすることもある」と語る。実際、大震災で磐井病院に搬送された沿岸部の負傷者の中には、破傷風菌感染者もいたという。
屋内外での感染症予防対策として▽正しい手洗い(水がない場所では次亜塩素酸系消毒薬やアルコール製剤を使用)▽生ごみ、使用済みトイレットペーパーの適切処理▽マスク着用▽作業時は底の硬い靴を選び、手袋着用▽小さな傷でもしっかり消毒−を呼び掛ける。
ICATでは今後、食中毒予防のほか、蚊やツツガムシなどの衛生害虫対策に力を入れる方針。高橋さんは「誰かが分かりやすく伝えない限り、衛生状態は改善されない」と強調し、「避難住民や関係機関・団体の理解、協力を得ながら効果的な活動を展開したい」と気を引き締めている。

岩手日日新聞(2011年5月9日付)より引用
http://www.iwanichi.co.jp/ichinoseki/item_23823.html