避難先での交流会

・・・東日本大震災の影響で県外から青森市へ避難してきた人が交流する「つながろう会」が11日、青森市で発足した。福島、宮城両県の約20人が参加。「帰りたいが、安全が確認されるまで帰れない」「地元に残っている被災者と、自分たち(避難者)との間に心のずれが生じている」など、不安や苦悩を打ち明け合った。「交流会に参加して孤独感が薄らいだ」という声も出た。 

交流会は、福島県南相馬市から青森へ避難している新川真由美さん(47)が提案し、青森市働く女性の家「アコール」の白井壽美枝館長らが賛同して実現した。

「アコール」で開かれた交流会で、新川さんは「青森の人に励まされ、支えられ、頑張ってこれた。しかし、ニュースを見ると、怒りや疑問、みじめさが込み上げてきて、心が沈みそうになったこともあった」と振り返り、避難者同士が本音を語り合える場の大切さを訴えた。

福島県いわき市から幼い子とともに避難している女性は「主人がいる地元に帰りたいが、安全が確認されず、帰るめどが立たない。自分だけ青森で普通の生活をしているのは申し訳ないとも思う。以前、福島へ帰った時、自分だけマスク、長袖姿で、過敏になっていた」と話し、地元に残った人たちとの間に感覚の違いや心の距離感を感じていることを吐露。

他の参加者も「『避難組はいいよね』と、地元に残った人から見られる。早く帰って復興のお手伝いをした方がいいのではないか−と、後ろめたさを感じながら悩んでいる」と語った。

また、「青森で仕事を探しているが見つからない」「保育所がいっぱいで困っている」「雪対策はどうしたらいいのか」といった悩みに、青森市県外避難者支援室の担当者らが、一つ一つ回答していた。

仙台市から避難してきた男性(34)は「精神的に孤立した状態が続いていたので、このような場で思いを語れるのはありがたい」、新川さんは「皆さん、普段たまっていることを打ち明けていた。前向きに、勇気を持って生きるきっかけになったと思う」と話した。

交流会は今後、月1回のペースで開かれる。

県生活再建・産業復興局によると、県外からの避難者は7日現在1120人。青森市は約200人で、市の担当者によると、福島県からの避難者のうち半数以上が、夫らを地元に残して避難してきた母子だという・・・

東奥日報(2011年11月12日付)より引用
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2011/20111112160034.asp


青森市県外避難者支援室
http://www.city.aomori.aomori.jp/view.rbz?cd=9884

東日本大震災復興対策本部事務局「各都道府県における被災者支援のための総合的な窓口及び被災者支援を担当する組織」(2011年8月4日現在)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/madoguchi-siensosiki.pdf