仮設住宅の防寒対策 <2>

・・・県は今週から、災害応急仮設住宅の寒さ対策工事を始めた。石巻地方の各団地でも外壁を追加する断熱工事が進められており、入居者からは「寒さが厳しいので助かる」との声が聞かれた。ただし、すべての団地で工事が完了するのは2か月ほど先。被災者が寒い冬を乗り切れるよう、各自治体は県の対応をみながら暖房器具の貸し出しなどの調達を進めている。

県による寒さ対策は、外壁断熱工事をはじめ、2重サッシ、玄関先から室内に直接風が吹き込まないようにする風除室の設置。暖房便座も取り付けられる。県は24日から順次、県内約2万1千戸の仮設住宅で施工することにしているが、業者の資材調達や職人の確保の関係で、12月に着工する団地もある。

被災地のプレハブ仮設住宅はエアコンが設置されているものの、断熱が弱い構造。生活再建を目指す被災者にとっては電気代もかさむ。

県によると、仮設住宅は平成15年の県北部連続地震や平成20年の岩手宮城内陸地震のときとほぼ同じ寒冷地仕様。入居者からは隙間風や結露に関する苦情も多いことから、寒さ対策を講じることになった。県は「年内には完了させたい。対策により寒さが緩和されるだろう」と話した。

自費や支援物資で暖房器具をそろえた入居者もあり、石巻市では希望に応じてこたつ、電気ストーブ、ホットカーペットを備品として貸し出すことにした。東松島市もこたつや石油ファンヒーターホットカーペットを貸与するほか、エアコンの追加や畳敷き、暖房効率を上げる隣接部屋との壁抜きなどの費用を予算措置した。

仮設住宅内で石油暖房機を使うことは禁じられていないが、火災などのおそれもあり、各自治体で対応が分かれる。

また東松島市の調査では、自前で風除室を設けた入居者が180世帯、エアコンが20世帯あり、そうした世帯に設置費用の一部助成を実施。市として3か所の仮設住宅団地に防風ネット、凍結防止の浄化槽を囲い込む工事を施工する・・・

石巻日日新聞(201110月27日付)より引用
http://www.hibishinbun.com/news/olive_diary.cgi?log_no=1#4235


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・・・自動車部品や住宅設備機器製造・販売業のアイシン精機(本社愛知県刈谷市、藤森文雄社長)は21日、田野畑村仮設住宅集会所2カ所に、同社の発電、暖房・給湯設備(ガスエンジンコージェネレーションユニット)2基を無償設置した。寒い季節の仮設住宅での快適さ実現に貢献しそうだ。

引き渡し式は設置場所の一つの中学校仮設団地集会所前で行われ、行政や住民ら約20人が出席した。

同社の田内比登志常務役員が「金ケ崎町のアイシン東北がお世話になっている縁で、不自由な生活を送る被災者の皆さんを1人でも多く支援できればと考え設置させていただいた」とあいさつ。上机莞治村長に目録を手渡した。

同村の仮設住宅は内陸部の高台にある。もう1カ所の設置場所となる高校仮設団地の畠山忠男住民代表は「被害を受けた海岸部は冬が過ごしやすかったので、住民は初めての内陸部の寒さを心配していた。閉じこもり傾向も見られる高齢者を含め、この集会所設備を活用しながら乗り越えていきたい」と感謝した。

式の後は設備の見学会が行われ、設置に協力した双葉設備アンドサービス(盛岡市)の佐藤隆光顧問らが住民に使用方法を説明。住民は、プロパンガスを燃料にエンジンを回すことで、一度に電力供給と排熱利用の暖房・給湯を実現する工夫に感心していた。(以下略)

岩手日報(2011年10月22日付)より引用
http://www.iwate-np.co.jp/hisaichi/h201110/h1110223.html




【サイト内関連記事】
仮設住宅の防寒対策
http://d.hatena.ne.jp/oretachinonihon-2011/20111015/1318637767