ふたつの災害対策本部

陸前高田市
・・・住民基本台帳などの各種資料は津波にのまれ、紛失。逃げ遅れたり、庁舎向かいの市民会館に避難した職員らがいまだ行方不明となっており、正職員だけでも約80人に上るという。(中略)
かつて経験したことのない震災。疲れは増し、中には家族、親類が行方不明になったり、自宅を失った職員も多い。これまで共に働いていた仲間の安否もわからず途方に暮れる状況にあっても、気持ちを奮い立たせて取り組まなければならない難題が山積している。
そんななかでも心強い味方になっているのが県や大船渡市などからの派遣職員、ボランティア。このうち物資配給では市内のボランティア20人が参加し、各地から送られてくる救援物資の搬入、各避難所に配る食料の積み込みなどに協力している。
高田高校1年の梅田隼人君は「自分の家が助かり、やりたいと思って参加した。用意する1食分がすごく多くて大変だが、それだけ避難者が多いということ。もっとボランティアが増えてくれれば」と話し、作業に励んでいた。


大船渡市
・・・大船渡市では市役所内に災害対策本部があり、とくに情報が集中する2階総務課内には、市職員のほか自衛隊、警察官も詰め、24時間体制をとっている。庁内の電気は復旧したものの、電話はつながらず、限られた通信手段の中で情報共有に当たっている。(中略)
沿岸部に住む職員の中には、親類の中に犠牲者がいたり、自宅が流されたにもかかわらず、業務に専念する姿も。被災から6日が経過し、やつれた表情で省内を駆け回る職員もみられる。
自宅が残る職員も午前5時に市役所などに集まり、各避難所の朝食としておにぎりづくりが始まる。市総務部の武政久夫部長は「いまは住民を守るだけで頑張っている状態。2次災害を防ぐためにも、職員の健康に配慮しなければ」と話している。

ともに東海新報(2011年3月17日付)より引用


東海新報のホームページは、3月11日午前でとまっています。
現在、東海新報の記事は、紙面データの供給を受けた胆江日日新聞社によって、同社ホームページ上に掲載されています。
http://www.tanko.co.jp/tokai.html



岩手県陸前高田市
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E5%B8%82

岩手県大船渡市
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%88%B9%E6%B8%A1%E5%B8%82