漁場の改良プロジェクト

・・・大船渡市赤崎町の上蛸ノ浦カキ養殖組合(中村巳喜男組合長)の仮養殖施設で3日、マイクロバブル発生装置を使った漁場の改良プロジェクトが始動した。山口県の徳山高専の大成博文教授(水理学)が中心となって設置。海の水質改善や特産赤崎カキの成育促進などが期待されている。
同プロジェクトは科学技術振興機構東日本大震災支援プログラムで採択金額は910万円。大成教授が中心となり、一関高専、八戸高専などもメンバーに加わる。
水深約6メートルに設置されたマイクロバブルの発生器は104個で、過去に例がない規模となった。装置は100分の2ミリという極小の気泡を1日約280立方メートル発生させ、水平方向に数百メートル拡散する。実験は来年2月まで継続する。
効果として▽水質改善▽大腸菌などの細菌除去▽カキのグリコーゲン増加−などが見込めるという。高温、高圧の泡の中での化学反応で窒素系統の活性物質ができ、カキの成長も促す。大成教授は「空気を薬に変えるようなもの。9月下旬には効果が見えるだろう」と説明する。
大成教授は大船渡湾の現状について、汚濁水の流入や夏場の異常高温、貧酸素水域形成、貝毒発生などの恐れがあると指摘。数百メートルに拡散するため、湾内の広範囲での効果も期待できるという。
マイクロバブル機器は広島湾のカキ、北海道噴火湾のホタテ、三重県の真珠などの養殖環境改善に使用。収入が4、5倍になった業者もあるという。(以下略)

岩手日報(2011年8月4日付)より引用
http://www.iwate-np.co.jp/hisaichi/h201108/h1108041.html



*「東日本大震災に関連したJSTの取組みについて」(独立行政法人科学技術振興機構
http://www.jst.go.jp/saigai.html