親を失った子どもたちの「心のケア」と支援 <2>

<1>に引き続き、関連資料です。子どもたちに向かい合うときの大人の心構え・接し方について説明がなされています。

国立成育医療研究センター作成「親を亡くした子どもへの対応(支援者向け)」より引用

・・・子どもは親に守ってもらうことで安心して生きてきました。また、思春期になるまで、
子どもは親の能力を自分の一部として生きてきています。ですから、子どもにとって親を
失うことは、自分の立つ大地を失うことであり、同時に自分の一部を失うことでもあるの
です。従って、親を失った子どもは重大な危機状態にあるといえます。周囲の大人がしっ
かりと向き合って支え、子どもの気持ちに寄り添うことが求められます。
両親を亡くした子どもの心理的ダメージの強さは想像に難くないでしょうが、片親を亡
くした時でも、残された親も愛する人を失って非常につらい状況にあり、子どもを支える
どころではなかったり、悲嘆にくれてかつての親の機能を果たせず、両親を一度に失った
のと同様の体験となることもあります。
親を失った子どもの反応はそれまでの親との関係、子どもの発達段階、別れた状況、残
された周囲の大人、新しい環境で支える人などの状況によってかなり異なります。また、
子どもの場合、強い反応が後になって出てくることもあります。長期的な支援が必要です。
最も重要なのは、子どもが安心して依存できる人との関係性を構築することです。子ど
もが信頼できる大人の支えが欠かせません。
孤児になっても、できるだけ、地域の力を大切にしたいものですが、事情によっては、
全く異なる環境に移らなければならなくなり、住み慣れた土地、学校、友達、近所の人々
などとも別れなければならなくなります。それは子どもにとって重なる喪失です。最も支
援が必要なお子さんであると考えましょう・・・

当資料は以下の10点に触れています。詳細は以下のPDFファイルをご覧ください。

1.親が亡くなった時にどう伝えるか
2.行方不明の場合
3.一般的なケア
4.子どもの「死」の理解
5.初期にみられる子どもの反応とそれへの対応
6.トラウマを伴う喪失体験
7.中長期的な影響
8.命日反応
9.親以外の喪失体験
10.最後に

国立成育医療研究センター作成「親を亡くした子どもへの対応(支援者向け)」
http://kokoro.ncchd.go.jp/uploads/to_child.pdf


*日本子ども虐待防止学会作成「社会的養護における災害時『子どもの心のケア』手引き(施設ケアワーカーのために)」
http://www.jaspcan.org/cm_m




【サイト内関連記事】
・親を失った子どもたちの「心のケア」と支援 <1>
http://d.hatena.ne.jp/oretachinonihon-2011/20110910/1315608426

・こころのサポートプログラム
http://d.hatena.ne.jp/oretachinonihon-2011/20110521/1305941367

・子どものメンタルケア・子どもの学び支援
http://d.hatena.ne.jp/oretachinonihon-2011/20110419/1303166265